がんはどうしてできるのか、予防方法、がんを見つける方法(がん検診)などイラストや図で解説します。また、がんについての正しい情報を得るためにどうしたら良いのか、患者さん、がん情報の専門家のインタビューも紹介します。
2019年12月5日付毎日新聞朝刊総合面にて、著者 林 和彦 先生とともに、本書が紹介されました
この本には、「知ることは力になる」という筆者の信念に基づいて、“あなたにがんのすべてを伝えます”というメッセージが込められている。1の「がんってどんな病気?」は、統計からみたがん、がん細胞の成り立ち、生活の中のがん因子と予防、がん情報の集め方など、誰もが自分の生活に引き付けてがんを考えることができるように構成されており、子どもから大人まで理解できるようにわかりやすく解説されている。2の「がんの治療と生活は?」では、検査、治療のメリットとデメリット、お金の話など、がん治療の一連の流れが説明されている。がんと診断され、治療がどのように決定されていくのかという時間的な流れの中でがん治療についての考えが深まっていく。3の「がんは体のどこにできる?」では、男女ともにかかるがん、男女特有のがん、血液リンパのがん、子どもや若い世代のがんというように、親しみやすいイラストとともに一般市民の目線で解説されており、身近な方を想定しながら知識が深化していく。
なかでも、緩和ケアは、がんのように命を脅かす病気に直面している患者や家族のために的確につらさや問題に対処できるアプローチであることが紹介されており、終末期医療という誤解を払拭できる内容となっている。また、「がんについての素朴な疑問あれこれ」では、「人工甘味料は大丈夫?」「がんの特効薬はなぜできないのか?」など、まさに今さら聞けない素朴な疑問についての解説があり、心の引っ掛かりがとれる瞬間がある。
健診予定の方、治療の選択をしなければならない方、治療の効果が見込まれず先の見えない方、子どもになんて話したらよいか悩んでいる方、職場のがん患者の方にどのように声をかけてよいか戸惑っている方などすべての方が、がんに怯えることなく知識を得て力強く生きることを支えてくれる本である。